18「花の匂い」の授業分析 2016年の中2生徒
Mr.Childrenの曲のPVを使った道徳授業です。
Mr.Childrenの曲はよく聴きます。他に「くるみ」は大好きですね。これも他の授業で使っています。
ああ、もう10年前の授業だなあ。
この後、1度くらいはしたか。
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花の匂いの道徳授業
中学校2年生を対象に実施された、Mr.Childrenの楽曲『花の匂い』を活用した道徳授業の実践記録(ワークシート・学級通信『道徳の力』NO.05・NO.06)について、授業のねらい・展開・生徒の議論・感想の観点から分析・整理・まとめを行いました。
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1. 授業の概要とねらい
- 対象・実施日: 甲東中学校 2年生(4月15日実施)
- 主題(ねらい): 「戦争の悲しみを知り、平和を大切にする心を育む(国際理解、国際親善)」
- 使用教材:
- 召集令状(赤紙)のレプリカ
- Mr.Children『花の匂い』の歌詞ワークシートおよびプロモーションビデオ(PV)
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2. 授業の展開と発問構成
授業は、歴史的現実の提示から抽象的な言葉の考察、そして音楽・映像を通じた感情的な深まりへと段階的に構成されています。
- 導入:召集令状(赤紙)のレプリカ提示と不参加の現実
- 発問1: 「この赤い紙は何のためにある紙でしょう」
- 戦時中に市民へ配布された召集令状(赤紙)を見せ、「行きたいですか?」と問うことで、生徒から「いやです」という本音を引き出します。
- 発問2: 「行かないとどんなことになるのでしょうか。」
- 捕まる・殺されるリスクに加え、兵役法による罰則や、家族も「非国民」と扱われた当時の厳しい現実を伝えます。
- 発問3: 「みんなが行きたくない理由はなんですか。」
- 「死にたくない」「人を殺したくない」という生徒の声を受け、教員は**「敵も味方も人間であり、命を無駄にしたくない」**とまとめます。
- 展開①:楽曲歌詞への接続(「永遠のさよなら」)
- 発問4(ワーク1): 「命を無くすこと=( )のさよなら」
- (永遠)という言葉を導き出した上で、それがMr.Childrenの楽曲『花の匂い』の歌詞であることを明かし、歌詞カードを読み合わせます。
- 展開②:PV鑑賞とオープンエンドな問い
- 発問(ワーク2): 「最後の花畑に立っていたウサギは、だれでしょうか。父、母、子ども、その他?」
- PVを鑑賞した上で「最後のウサギ」の正体について議論させます。
- 終末:2回目のPV鑑賞と感想の記述
- 議論を踏まえて再度PVを鑑賞し、ワークシートに感想を記入させます(鑑賞中に涙を流す生徒の姿も見られました)。
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3. 「最後のウサギ」を巡る生徒の議論・考察
PVの最後に登場するウサギの解釈について、生徒の間で様々な見解が出され議論が行われました。
- 子ども説: 戦争中に植えた花を成長した子どもが見に来ている、あるいは悲しすぎる結末を避けて子どもであってほしいという願い。
- 父説: 家族が全滅した跡地に戦争から無事帰ってきた父親、または「生まれ変わる工場」を経て生まれ変わって会いに来た父親。
象徴的な映像表現に対して問いを立てることで、生徒一人ひとりが家族の絆や戦争がもたらす理不尽さを自分なりに解釈する深い時間となっています。
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4. 生徒の感想・学びの変容の分析
通信(NO.05・NO.06)に寄せられた生徒の感想からは、以下の4つの変化・学びが読み取れます。
- 「他人事」から「自分事」への変容:
- 「自分の父親が赤紙をもらったら」「自分が戦争に行くことになったら」と置換して捉え、赤紙の持つ重みや恐怖を実感しています。
- 日常の平和と家族への感謝:
- 「当たり前の毎日のありがたさ」「生きていることや家族の存在の大切さ」を改めて見つめ直しています。
- 共感と揺さぶり:
- 歌詞と映像の美しさ・切なさから強い衝撃を受け、戦争が残す傷跡の深さに共感しています。
- 平和への決意:
- 「二度と戦争を起こしてはならない」「互いに傷つけあわず世界で協力していくべきだ」という未来への姿勢が示されています。
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5. まとめ(本実践の特徴と効果)
- 多角的な教材による相乗効果: 「赤紙(歴史的資料)」「歌詞(言葉)」「PV(映像・物語)」を組み合わせることで、認知・感情の両面から命と平和のテーマに迫っています。
- 問いかけの工夫: 正解が一つではない「ウサギの解釈」を挟むことで、受動的な鑑賞にとどまらず、主体的な対話と深掘りを生み出しています
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1. 赤紙の「重み」と「自分・家族の当事者意識」
歴史上の出来事として受け止めるのではなく、「自分や自分の身近な人だったら」と置き換えることで、強い恐怖や悲しみを実感しています。
- 父親や自分に引き寄せた捉え方:
- 「自分の父がせんそうに行くことになったらどうしようと思った(泣)」
- 「自分のお父さんが赤紙をもらったらすごく悲しくなった。戦争は関係ない人の命までうばう怖いものと改めて感じた」
- 「父が戦争にいく悲しみが伝わってきた。(…)会いたいのに会えない気持ちはなんか伝わる」
- 「自分もし、戦争に行くことになったらと思って感動した」
- 赤紙の現実味と迫りくる別れ:
- 「赤紙がすごく重いことが分かった」 / 「赤紙がめっちゃヤバい」
- 「急な兵隊に怖くなって別れないといけないところにぐっときました」
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2. 「永遠のさよなら」を通じた日常・家族への感謝
理不尽な別れの存在を知ったことで、普段の当たり前の生活や身近な存在の尊さに目を向けています。
- 当たり前の日常と家族の尊さ:
- 「普通に過ごしていた日々も急に『さよなら』をしないといけないときが来ると考えると、これからは一日一日を大切にしたい」
- 「普段日常を送っていたとしても最愛の人がいたとしても突然の不幸で(…)幸せを無くしてしまうから(…)毎日がとても大切」
- 「私たちの『当たり前』の日々がとても大切なことに気づかされました。家族とも見たいと思います」
- 「大切な人がいなくなるとどれだけ悲しいかわかった。近くにいる人ほど大切にしようと思います!」
- 命の尊厳と不可逆性:
- 「命は1つしかないから大切にしたいと思った」
- 「永遠のさよならを無理にする事は絶対してはいけない」
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3. 戦争の理不尽さと未来への主体的な決意
被害の悲惨さに心を痛めるだけでなく、「二度と起こしてはならない」「自分たちの手で平和を創る」という主体的な決意へと発展しています。
- 何も生み出さない戦争への認識:
- 「戦争があたえるものは悲しいことばかりで、残された人たちの心の傷は一生いえない。そんな悲しみが伝わってきた」
- 「一つ一つの命が奪われ何も解決しないことがわかりました」
- 平和を築く決意:
- 「ぼくは あの戦火みたいな思い出はしたくないから、平和な今をもっともっと幸せな世界にしたい、自分の手で」
- 「幸せの種が芽を出せるように世界で協力していかなければならないと思う」
- 「もう二度と戦争はしないでほしい」
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4. 楽曲・PV(ウサギ・映像表現)への共感と感動
歌詞の言葉やアニメーションの象徴的な描写が、生徒の感情に深く語りかけています。
- 映像表現や歌詞の力:
- 「うさぎちゃん達でたとえて、わかりやすく悲しい等ということをつたえていてとても悲しい」
- 「最後の人はだれかわからないけれど、私は子どもであってほしいと思う」
- 「歌にとてもジーンときました。(泣)」 / 「この歌を聞いて少し泣いた」
- 「ただの白黒PVを見て、泣きそうになった(赤紙)」
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まとめ
生徒たちの記述からは、赤紙という現実的・歴史的な教材と、『花の匂い』の音楽・映像という感情に訴える教材が組み合わさったことで、**知識にとどまらない深い共感と当事者意識(想像力)**が育まれていることが伝わってきます。

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